中国で6月7日から始まった、一生を決めるともいわれている大学入試の全国統一試験「高考」。今年は不正防止のため、AIによるリアルタイムの監視技術も導入された。
去年、受験者数が過去最多を記録したが、今年は8年ぶりに減少。受験者数は1335万人となった。とはいえ、厳しい競争は相変わらずである。
「緊張と期待が入り交じる気持ち」「数日前はたまに心臓がドキドキして、『もしうまくいかなかったらどうしよう』と思っていた」(受験生)
試験を前に、町の書店は高考の問題集で埋め尽くされる。
「息抜きは、基本的にスマホを触る1時間くらい。日本人のような学校の部活もない」(高考を受けた大学生)
遊ぶ時間もなく勉強漬けの日々で、経験者は「二度と高校時代には戻りたくない」と話すほど。受験生は大きなプレッシャーにさらされ続ける。まさに、人生を決める一発勝負の場となると、厳しい目が向けられるのがカンニングをはじめとする不正行為である。
15年ほど前に撮影されたカンニング機材の映像でも、当時からすでに腕時計型の受信機や、その後の時代を先取りしたスマートグラスのようなものまでが販売されていたことがわかる。こうしたハイテク機器による不正行為に対抗するため、試験会場付近には電波妨害車まで出動させる事態となっており、電波対策によって会場周辺での通話や通信に支障が出ることが市民の携帯にも通知される。
AI予測問題…実は詐欺
