AI予測問題…実は詐欺
SNSなどでは「AI予測問題集」が高値で販売されている。ただし、購入しようとすると詐欺サイトに誘導されるケースもあり、中国教育省が取り締まりを発表した。
中国事情に詳しいジャーナリストで千葉大学客員教授の高口康太氏は次のように話す。
「AIによる高考の予測問題は、詐欺だと思った方がいい。今年1月にDeepSeekという中国のAIが話題になり、中国の中でAIバブルのようなものが起きている。AIに対する期待も大きく、この高考詐欺にもその期待が利用されている。また、たとえ怪しくても、高考という人生を決める大舞台を前に、藁をもすがる思いで買ってみようとする人はいるのでは」
一方、今年から本格的にAIが活用されているのが、カンニングなどの不正防止対策だ。
「例えば、試験が開始したのに動かず回答が送信されてくるのを待っている人を検知するなど、“カンニングあるある”のパターンをAIは認識している。AI技術がハイレベルの中国だけに、すごくいいソリューションができている。ただ、怪しいパターンをAIが感知した瞬間に『あなたカンニングしていますね』とはならなくて、映像を監視官が一度確認して、最終的にカンニングかAIの誤動作かを決めて処罰する」
厳しい対策の裏には、格差のある中でも試験だけは平等という姿勢を貫かなければならないからだという。
「中国の高考で一番大事にされていることは、どんな偉い人であっても平等な条件で試験を受ける、つまりカンニングや替え玉受験は絶対に許さないということだ。中国のカンニング対策の処罰は本当に重い。カンニングをやっている人だけではなく、カンニングの機材を売っている人や、手助けをした人まで実刑となる厳しい対策になっている」
日本でも、資格試験や入試で小型機器を使ったカンニングが問題となったケースがあるが、中国と比べると対策は緩いという。
「新しいテクノロジーに合わせた対策や法制度に変えていく必要がある。小型機器のようなものは日本のサイトでも売っていて普通に買える。中国の受験生がたまたま見つかっているだけで、今後、他国の人や日本の受験生も使うことは十分考えられる」
(『ABEMAヒルズ』より)
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