オシャレ路線で考案「大人のおむつ」
【映像】“オシャレおむつ”を着用したモデル
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 大阪・関西万博で今月開催予定の、あるファッションショーが注目を集めている。「O-MU-TSU WORLD EXPO(オムツ・ワールド・エキスポ)」と題して、ロックとモードをコンセプトにデザインされたおむつを履いたモデルたちが、ランウェーを歩く。

【映像】“オシャレおむつ”を着用したモデル

 企画したのは、ファッションプロデューサーで、一般社団法人「日本福祉医療ファッション協会」代表理事の平林景氏だ。車いすユーザーをはじめ、障害のある人も楽しめるファションを続々と提案し続けてきた。

 今回「おむつ」を選んだ理由は、「車いすユーザーの若い女の子に、『友達と一緒に旅行に行ったことがない』という話をされた。『おむつを履いている姿を友達に絶対に見られたくないし、知られたくない』と言われた」ことにあった。

 障害や病気などで大人用おむつを利用する人は多いが、「履いていることを知られたくない」「恥ずかしい」といったネガティブイメージもある。それを覆すべく、まず平林氏はカラーを工夫した。「もっとおしゃれなものがあればいいのに」という女性の声を受けて、市販品に絵の具で色を付け、SNSへ投稿。すると「2、3日で6万いいね。『こんなのが欲しい』と、声をもらった」という。

 そこから本格的にデザインを手がけ、機能性を維持したまま、さまざまなシーンに合わせたおむつを考案した。平林氏は最終的に、排泄に関する悩みを、一人で抱えずにすむ社会になればと考えている。

 イベントを数週間後に控えて、「今までのおむつの概念を完全にひっくり返す、世界最大級で前代未聞のおむつコレクションになる。出てきたモデルを見ると、ぱっと見ではおむつを履いているとはわからない。普通のコレクションを見ているような感覚で、当日はかっこいいのが出てくる」と意気込む。

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