■20代で「過敏性腸症候群」と診断、今も多い日は20回トイレに

 高齢化社会の今、おむつを必要とする大人は少なくない。「尿失禁」に悩む人は40歳以上で約2100万人、「便失禁(便漏れ)」は推計500万人いるとされる。原因としては、「加齢により肛門周囲の括約筋が衰え締まりが緩くなる」「直腸肛門の病気の他、糖尿病や認知症など」「直腸がんの手術後」「女性が出産後」などがある。

 街で話を聞くと、実際に「出かけてトイレがなくて我慢できず、ちょっとする時がある。尿漏れパッドを付けている」「仕事中や移動中にあった。(友達への相談は)できない、恥ずかしい」(いずれも70代女性)との反応があった。

経営者のぎゅる社長さん 通勤カバンには大量のティッシュと下着、おむつも
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 経営者のぎゅる社長さん(62)も「緊張したときにおなかを下し、大量の下痢をする」と悩んでいる。20代で過敏性腸症候群(IBS)と診断され、多いときは20回トイレに駆け込む。時には漏らすこともあり、通勤カバンには大量のティッシュと下着が入っている。

 おむつは「お守りみたいなもの。飛行機など長時間トイレに行けないときに必ず履く」と語るが、おむつの利用は最近まで周囲に隠してきた。「便はどうしても“汚いもの”。その概念は変えられない。自分の中でもそうで、ゆえに隠したい」。

■「全国民便漏れ時代」「1件の漏れには100件の“チビリハット”がある」
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