■高齢者ばかりが選挙に行くことのデメリット

選挙に行かないと損?
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 6月3日の韓国大統領選は、最終投票率が79.4%と、1997年以来の高水準になった(中央選挙委員会)。また2024年11月5日のアメリカ大統領選は、投票率64.07%で、2020年(66.4%)に迫る戦後2番目の数値になっている(フロリダ大学 ELECTION LAB<選挙研究所>)。

 東北大学 高齢経済社会研究センターの吉田浩教授は、「若者は選挙に行かないとお金で損する」と主張する。「若い世代が投票に行かないと、政府は“お得意様”である高齢者の意見を尊重する。財源に将来にツケを回す国債が選ばれ、社会保障もより高齢者に手厚くなる。過去30回の国政選挙を調べると、49歳以下の“若年世代”の投票率が1%下がるごとに、1人あたり年間5万5000円ずつ損する計算結果が出た。『投票の権利を放棄しても、誰にも迷惑かけていない』ではなく、実は自分が損をしている」。

 日本での投票率をどう見るか。「投票率が低いと、組織票を持つ政党が有利になり、民意がバランス良く反映されない。『投票率が高いから政治的選択を取る』というより、郵政選挙のように『政治的選択をすべき局面で投票率が上がる』のだから、各党は選択を明確にした公約を示す必要がある。ありきたりな『安全な暮らしと経済成長』ではなく、独自色を出さないと、世論調査で“支持政党なし”がトップになる」。

■政治を語ると分断が起きる?
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