■親に対して「恨むつもりも、否定するつもりもない」
そんな多母髪さんの支えとなったのが、スポーツだった。「パラスポーツを通して、達成感や忍耐力を鍛えられた。乳児院の時に一緒に過ごした職員が、“週末里親”として成長過程をサポートしてくれて、家族の愛をもらえたのも宝だ」。
親に対しては「恨むつもりも、否定するつもりもない」といい、「依存症や生きづらさを抱えている人も、一緒になって生きていこうと考えている。そういう考えにさせたのは、パラスポーツや里親の出会いが大きい」と語る。
発信を通して、「自分に何ができるのかを、もう一度両親には考えてほしい」と願う。「科学的なエビデンスがないことを言われ、落ち込んだときもあったが、チャンスと捉えて武器にした。依存症の人々とも『自分に何ができるのか』を一緒に考えたい」。
■「障害があり、家庭環境が悪くても、自分の人生を自らの手で歩める社会を作りたい」
