■加害者の家族としての思い「次の世代には聞かないで」
教団との関与は「オウム真理教の後継団体とされるものには一切関わっておらず、即刻解散してほしいと思っている」として、「一生懸命に社会で生きたいと思っているが、どうしたら状況が変わるのか」と嘆く。
これまで生きてこられた理由については、「根本には仏教的な価値観があると感じているが、専門家の治療につながれたことが大きい。他の「加害者家族」もそうだが、自分の状況を深刻に捉えておらず、なかなか専門家につながろうとしない。結果として自死に追い込まれることもある。オウム関係者の場合は、関係者だからと治療を拒否さ
れることもある」と説明する。「兄弟も同じ目に体験をしている。私がショックを受けると、それを見た周りも傷つく。そのため傷ついていなふりをする」。
『止まった時計』(講談社)を出版した30代前半には「もう自分を守っている年齢じゃない。12歳の時は誰も守れなかったが、今の加害者の子どもたちを考えないといけない」と感じたそうだ。
「加害者家族」は、いつまで責任を負わなければいけないのか。「どうか次の世代の子たちには聞かないであげてほしい。事件が起きてほしくなかったのは、「加害者家族」も同じだ。被害者家族の幸せとともに、「加害者家族」の幸せも壊れる。父自身ではない別人格として、『事件がなかったら良かった、と思っているだろうな』と想像できる社会になってほしい」。
(『ABEMA Prime』より)
