精神科医/スポーツメンタルアドバイザー・木村好珠氏
【映像】「転職したばかりの頃は孤独でした」(30代女性)
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  東京大学大学院・川上憲人特任教授らの研究によると、12人に1人が感じている“職場での孤独感”。その実情や対策を精神科医に聞いた。

【映像】「転職したばかりの頃は孤独でした」(30代女性)

 精神科医で産業医でもある木村好珠氏のもとにも、相談に来るケースは多いと話す。

「なんとなく会社で居場所がないなとか、どこにいたらいいかわからない、相談できる人がいないというようなことで孤独を感じている人はいる」(精神科医/スポーツメンタルアドバイザー・木村好珠氏、以下同)

 職場での孤独を感じる瞬間として、「2025年 職場の孤独実態調査」(Job総研調べ)では、「Slack(コミュニケーションツール)で自分の投稿だけ反応がなかった」「リモートが多いと表情がわからないので孤独感を感じやすい」など、リモートワークが増えた昨今ならではの声も聞かれた。

 これに対し、木村氏は「テキストコミュニケーションやリモート会議では、対面よりも孤独を感じやすい」と指摘する。

「対面だと『今日暑いですね』などのアイスブレイクの時間があり、座ったとたんに本題から入ることはないが、テキストコミュニケーションやリモート会議だと基本的にはない。通勤時間や場所の確保などを省き、いかに効率よくやるかを目的にしていて、本来であれば雑談で得る情報や、仲良くなるコミュニケーションがあるにもかかわらず、『アイスブレイクいらないよね』、『実際の話に入ろう』という方が多いため、“顔色”がわからず孤独感を味わいやすい」

 相手は「報告だから返事は不要」だと思っただけだったとしても、送った本人が孤独を感じてしまうのはテキストでのコミュニケーションならではの理由もあるという。

「グループチャットでは他の人との会話もすべて見えてしまう。他の人とのコミュニケーションと自分のコミュニケーションを比べてしまいがちだ」

リモートワークでもできる対策とは?
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