井下医師によると、原因は舌と口蓋垂(のどちんこ)の関係にあるという。寝ているときは重力や筋肉の緩みで舌と口蓋垂が落ちてしまう。この状態で息をすると振動が起き、この振動によって生まれる音こそがいびきの正体だ。時間が経つとさらに舌と口蓋垂は下がり落ち、やがて気道をふさぎ呼吸ができなくなってしまう。これが無呼吸を作る原因だ。

 井下医師は「何年も放っておくと、常に全速力でダッシュしているような状態。心臓に負担がやってきて、高血圧、不整脈、心不全、脳卒中などの合併症の原因にもなると言われている」と警鐘を鳴らした。

 さらに中等症から重症患者のおよそ4割が10年以内に亡くなっているというデータも。最適な治療法としては、マウスピースの装着や鼻に装着したマスクから空気を送るCPAP療法、気道を確保するための外科手術などが一般的だ。

「睡眠時無呼吸症候群」の兆候とは?
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