飛ぶ鳥を落とす勢いの24歳新鋭と、42戦の戦歴で着実にキャリアを重ねてきた41歳のベテランという構図。木村は4歳から空手を始め、JKJO全日本ジュニア空手道選手権で7連覇。さらに女子ボクシングでも2022年に世界選手権出場などの実績を引っ提げてプロ2戦2KOと快進撃の真っ只中。対する小澤はプロで40戦以上を重ねるプロ18年の大ベテラン。27敗と大きく負け越しているが、近年前に出て一歩も引かないゾンビ・スタイルで遅咲きの覚醒期を迎えた。木村のファンシーな“もなワールド”を意識した“おざワールド”を提唱。試合前には両者の“ワールド”対決も話題となった。
ゴングが鳴ると、木村が横蹴りと左ストレートで距離を支配する。小澤が左ヒジを前に出す独特なガードで威嚇しながら懸命に前進するも、木村は春麗を彷彿させる“変幻自在”の鋭い蹴りとパンチで小澤の顔面に攻撃を加えていく。“奇策”に全く戸惑うこともなく落ち着き払った木村は、下がりながらワンツー、キックとコンパクトに当て続け、鋭いボディショットで早々に小澤をサンドバッグ状態に追い込んだ。
小澤の前進し続けるゾンビスタイルも木村の上下の打ち分けには通用せず、1ラウンド終了時点で右目付近からの出血が止まらない状況に追い込まれると、ファンから「もういいだろ」「タオルだ」「止めた方がいい」と心配する声が相次いだ。
大きく目尻をカットした小澤だが、2ラウンドも臆することなく前進。しかし、木村の打撃は勢いを増すばかり。着実に左ストレートと顔面への横蹴りの連打でダメージを重ねていく。
1ラウンドのカットに加え、さらに木村の追撃により小澤は大流血。普段のゆるふわキャラとは一変した冷徹な“もなワールド”に「もうやめよう」「もなワールド怖過ぎ」といった声も。
すると小澤の出血から試合は一時中断。止血とドクターチェックを経て試合は再開されたが、再び木村の蹴りとパンチを被弾したところで、続行不可能と判断したレフェリーが試合をストップ。折れない心を発揮した小澤だったが2ラウンド1分8秒、無念のTKO 負けとなった。
女子空手の実力者として鳴り物入りでプロとなった木村。デビューからの3連勝、進化を発揮したパーフェクトな勝利に「強えー」「どう攻略するんだ」「当たる距離に近づけないもんな…」と驚きの声が多数。
試合後、木村は「もなワールドの強さは分かってもらえたでしょうか? ストレート、蹴りもちょっとだけ進化を見せられたと思います」と挨拶。さらに「そろそろベルトに絡みたいので、宮田さん(宮田充プロデューサー)ご検討よろしくお願いします」と、満面の笑みでタイトル戦線への意欲を語った。
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