棋聖戦は、今年4月に賞金額を4000万円に増額することを発表。さらに特別賞として1000万円が新設されたことで、総額は5000万円となった。竜王戦の4400万円を上回ったことで、事実上の最高賞金額を争う五番勝負としても話題となっている。
藤井棋聖はこの防衛により、タイトル獲得数が「30期」に到達。通算獲得数では、渡辺明九段の31期に次ぐ歴代5位につけている。藤井棋聖が初めてタイトルを獲得したのは第91期棋聖戦五番勝負で、当時17歳11カ月は史上最年少の記録だった。思い入れのある棋聖戦で、獲得数を大台に乗せてみせた。終局後には「これまでを振り返ると、どれも大変なシリーズばかりだった。30期という結果は少なからず幸運もあったのかなと思う」とこれまでの道のりを振り返った。
大きな戦果を手にした藤井棋聖だが、わずか5日後の7月5日には防衛戦の王位戦七番勝負の開幕を控えている。次なる相手は、今年3度目の激突となる永瀬拓矢九段だ。こちらも激戦が見込まれており、藤井棋聖に休む時間はない。“真夏の七番勝負”と呼ばれる次なる戦いでは、どのような新しい将棋を披露してくれるのか。期待は高まるばかりだ。
◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。2020年度の第91期棋聖戦でタイトル初挑戦、17歳11カ月で最年少タイトルホルダーとなった。以降獲得と防衛を重ねて、竜王4期、名人3期、王位5期、叡王3期、王座2期、棋王3期、王将4期、棋聖6期の通算30期。棋戦優勝は11回。2023年10月には第71期王座戦五番勝負を制し、前人未踏の「八冠独占」を達成。2024年度には永世王位・永世棋聖の資格も獲得した。通算成績は411勝84敗、勝率は.830。趣味は鉄道、チェス。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




