数字には「謎の説得力」…結果を見るときの注意点
こうしたクセを理解しつつ、結果を見る私たちはどのようなポイントに注意すればよいのか。
「まずは、『量ではない』というところ。基本的に、オンライン上で意見を集める、意見を自由に投稿してもらうというスタイルを取る以上、結果として出されているパーセンテージや量に意味はない。例えば、ある意見を持った人がたくさんの知人に声をかけて投稿してもらったら、その意見は不自然に多くなってしまう」
しかしながら、多くの実施者は、結果をクラスタリングしてマップに落とし込んで“見える化”し、同時に意見の実数や割合も掲載している。
「(数字は)客観的“風”、サイエンス“風”を装うことができ、謎の説得力を持ってしまう。数字が示されているからと言って何もかも客観的であるわけではなくて、実施する側の意図や狙いもあるので、データを見るリテラシーは養った方がよいと思う」
また、ニュース番組『ABEMAヒルズ』コメンテーターでJX通信社 代表取締役・米重克洋氏は、メディア側がこうした調査結果を伝える際にも注意するべき点があると指摘する。
「数字でズバッと出されてしまうと、それが民意だと受け止めてしまう部分もあるので、(調査のクセを)しっかりと注釈付きで伝えるという判断もある。そして、定量的な裏付けを必要とする時には、ブロードリスニングだけではなく一般的な世論調査も併用して伝えていくということが、あるべき姿だと思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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