■マンション耐震事情

村田晶氏
拡大する

 東京のマンション耐震事情はどうか。スマート修繕の「お住いのマンションの耐震・防災に関するアンケート」では、旧耐震マンション比率1位は港区33.3%で、渋谷区31.5%、目黒区29.0%と続く。古くから発展している町ほど問題は深刻だ。また、マンションの耐震性は、未把握が約6割、耐震性や強度に問題意識なしは約7割だった。

 村田氏によると、「港区や渋谷区は、マンションだけでなく、旧耐震基準の雑居ビルもあるため、人が多い時間帯に大地震が起きると、被害も大きくなる」という。「一棟所有であれば修繕しやすいが、区分所有だと合意形成しにくい。『耐震補強して住みたい』と考えればいいが、住民それぞれ考え方は異なる」。

 具体的な「生存策」としては、「寝室と居間に限定して安全を確保。それ以外は大きな机に潜って生存空間を確保」「隣近所とのコミュニケーションで、『お隣さん、出てこないよね』となれば『家の中にいる!』で救助に繋がる」といったものを挙げる。

 また、ビル丸ごとの耐震補強はできなくても、「よく居る空間をシェルター的に補強することは、リノベーションの延長でできる。躯体が損傷して、建て替えなくてはならない状況になっても、少なくとも命を守ることは可能だ」と話す。

 長尾氏が、地震に対する心構えを説く。「地震は必ず来る。予知ができても地震は止められない。だからこそ、家を強くする“耐震”が一番大事だということを、肝に銘じてほしい」。

(『ABEMA Prime』より)

この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(8枚)