タイトル経験もある実力者にとっても、時間の圧力には耐えきれなかったか…。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Aリーグ・2位決定1回戦、チーム伊藤 対 チーム菅井が7月5日に放送された。第3局、菅井竜也八段(33)がチーム伊藤・斎藤明日斗六段(26)と対戦したが、追い込まれた最終盤に牌が手につかず、まさかの時間切れ負け。ファンも「駒が手につかなかった」「指せなかったか」と騒然となった。
棋士の間でも、すっかりお馴染みとなった超早指しのフィッシャールール。同大会では持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算されるが、序盤でどんどん指して時間を蓄えたと思っても、いつのまにか残り数秒となりチェスクロックの「ピッ、ピッ」という音に煽られるシーンは変わらない。
今回、時間の圧力をもろに受けたのは振り飛車党のエース・菅井八段だった。斎藤六段との対戦は相振り飛車の中でも珍しい相中飛車からスタート。道中、先手の菅井八段は飛車を8筋に展開し、後手の玉頭を攻める方針にしたが、後手の斎藤六段も伸びやかに指して中盤から終盤にかけて後手が優勢、さらには勝勢へと近づいていた。
まさかの切れ負けの瞬間
