一方で、パンダがいなくなってしまったらパンダビジネスはどうなるのか。白浜町にある白良荘グランドホテルでは、写真映えするパンダのトリックアートやぬいぐるみ、さらに歯ブラシや石鹸までパンダモチーフとなっており、パンダに囲まれてすごすことができる部屋が人気だ。

 ホテル営業課営業推進マネージャーの関聡司さんは「毎月来るお客様のご利用が多い。(パンダは)ホテルにとってもお客様にとっても大きな存在」として「いまのところ、すぐやめることはない。(返還の)発表があってからまだ2カ月くらいしか経ってないので、すぐに対応というのが難しい」と、今後について語った。

 そして、パンダが食べていた笹は大阪・岸和田市から無償で提供されていた。岸和田市パンダバンブープロジェクト推進チームの川端秀之さんは「浜(ふうひん)が小さい赤ちゃんのときから『やっと竹を食べてくれるようになったんだ』みたいな。そんな風に聞いたときはすごくうれしかった」と振り返る。

 「パンダに食べてもらうことで竹林もさらに整備されてきれいになっていきますので、市からすると無償で提供している以上に助かっていた」と、環境保護の面からもメリットがあったとして「パンダはいなくなりますけど、いまからはパンダがきっかけになって始まった竹のプロジェクトだということで、そのままで行きましょうとなっている」と、今後もアドベンチャーワールドと竹を活用できるプロジェクトを模索していくことを明かした。

パンダロスを埋めるための活動も
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