──昨年秋にJOPTのアンバサダーに就任されましたが、反響や業界の盛り上がりは感じますか?
岡本 もちろん取材などをしていただく機会は増えましたが、女性のポーカープレーヤーが増えたとよく言っていただけますね。私が優勝したWSOPのレディース部門でも、その翌年の日本からの参加者が3倍になったと聞きました。私自身はポーカーが好きでプレーしているだけなのですが、プレーヤーが増えることで今回のような番組を作ってもらえたり、ポーカー業界にとってプラスの環境がどんどん整っていくので、そういう意味ではありがたいですよね。
──勝ち負けにこだわらないというが、ポーカーの魅力とは?
岡本 ポーカーに限らず、何かを突き詰めて勉強して、その結果上手くなって自分が成長していく過程が楽しいんです。その中でもポーカーはゲーム性が好きというのはありますね。あるプレーヤーに勝てなかった時、結果ではなく「思考で上回ることができなかった」と捉えて、もっと勉強して上回るような思考を身につけたいと思うことが楽しい。
過去にはボードゲームだったり、頭を使うゲームにハマっていた時期もありましたが、ポーカーはとても華やかで、年齢や性別に関係なく誰とでもバチバチ戦えるんです。もともと競争が好きで負けず嫌いというのもありますし、海外遠征などではお金もかかっているので、負けられないというアドレナリンが出て、ドキドキさせられる点も他のゲームでは感じられない魅力ですね。
大人になってから「(ゲームに)勝って幅広く称賛される」ことってあまりないじゃないですか。そういう意味では、承認欲求を満たしてくれるところにも魅力を感じています。
──普段はどのようにポーカーの勉強をしている?
岡本 大会に参加している期間は不規則になりますが、時間があれば1日8〜10時間くらい座学をしています。トーナメントであればプリフロップ(最初にプレーヤーに2枚のカードが配られ、場のカードが1枚も開かれていない状態で行うアクション)が重要なので、残りプレーヤー数や自分のポジションや他の人のスタックがどれくらいかなど、あらゆるシチュエーションを想定して、最適なアクションを丸暗記するくらいの感じで(勉強する)。あとは戦略記事を読んだり、海外のプレーヤーのプレー動画を見たりもしますね。
──改めて、今大会への意気込みをお願いします。
ポーカーは運の要素も大きいので、結果にこだわりがない分、“意気込み”にも意味がないと思っています。普段勉強していること以上のものは出せないと思うので、「できるだけ100%の力を出せるように頑張る」というのが意気込みなのかもしれないです。
世の中的にはポーカーを“人読み”や“センス”の競技だと言われることもあります。確かにその要素もゼロではないけれど、結局は勉強のほうが大事だと思っています。今大会でも、普段勉強してきたことをしっかり発揮していきたいですね。
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岡本詩菜(おかもと・しいな)1989年、埼玉県生まれ。京都大学工学部建築学科を卒業後、外資系投資銀行勤務を経てポーカープレーヤーとなる。2023年のWSOP(ワールド・シリーズ・オブ・ポーカー)Ladies Championshipで準優勝。さらに翌24年の同大会で優勝し、25年大会でも連覇を達成する快挙。2024年にはJOPTオフィシャルパートナーに就任し、日本のポーカー普及のための活動も精力的に行う。
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(ABEMA/「ABEMA POKER INVITATIONAL」より)
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