「暑さ手当て」導入企業が増加 35℃以上で1000円支給 建設現場に製氷機やAI現場監督
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 21日、東京で11日ぶりに熱中症警戒アラートが発表されるなど、各地で危険な暑さが続いています。人手不足のなか、炎天下での作業が求められる建設現場などでは熱中症対策の手当てを導入する企業が増えています。

【画像】30℃以上で500円、35℃以上なら1000円 広がる建設現場の「暑さ手当て」

「暑さ手当て」導入企業増加

全国的に猛暑日が続出
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 全国的に猛暑日が続出し、海水浴場がにぎわった21日。茨城県や福島県の4地点では最高気温が38℃以上と体温超えの暑さになりました。

 18日、気象庁が関東甲信の梅雨明けを発表して以降、続く強烈な日差し。猛暑の影響を強く受けているのが、外で作業する建設業です。しかし、厳しいのは暑さだけではありません。

猛暑の影響を強く受けているのが外で作業する建設業
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 帝国データバンクによると、今年上半期に人手不足が原因で倒産した企業は202件。そのうち、およそ3割が建設業です。厳しい暑さと深刻な人手不足。今いる人材のつなぎ止めや新たな人手を呼び込むために、一部の会社が導入を始めたのが「暑さ手当て」です。

合田工務店 現場社員
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合田工務店 現場社員
「(Q.暑さ手当ての使い道は?)飲み物とかアイスとか、熱中症対策に充てられるものとして使っています。すごくやる気につながりますね」

35℃以上で1000円を支給

都内にあるマンションの建設現場。気温は35℃以上
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 番組が取材したのは、都内にあるマンションの建設現場。この日の気温は35℃以上です。こちらの工務店では、夏の厳しい環境で働く現場の社員を対象に気温に応じた手当てを支給しています。

 30℃以上の真夏日なら500円、35℃以上の猛暑日には1000円を「あつさ手当」として支払っています。

合田工務店「あつさ手当」
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 さらに熱中症対策の手当ての一環として、ファンが付いた上着も支給。実際に着てみると、すごく風が通り汗が乾いていって、かなり涼しく感じました。

 現場には小型の製氷機も導入しました。細かな気遣いに職人からも喜びの声が上がっています。

現場には小型の製氷機も導入
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現場作業員
「氷を作ってくれる機械があるのですが、それでみんな水筒に氷を入れて、毎回冷えたのが飲める。すごくありがたいです」

 会社の経営陣も「あつさ手当」の効果を実感しています。

合田工務店 平尾隆吉常務取締役
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合田工務店 平尾隆吉常務取締役
「体調管理に努めてくれという思いを受け取ってくれる。相互の心のいたわり合い、心の通じる一つの手当てになった」

 現場作業専門の求人サイト「クロスワーク」によると、「暑さ手当て」をうたう求人は現在300件以上あり、年々増えているといいます。

AI現場監督 行う業務を代行

 一方、建設現場の負担を減らすため最新技術を使ったサービスを展開する企業もあります。

zenshot(ゼンショット)
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 Zen Intelligence株式会社が提供するサービスのzenshot(ゼンショット)は、360度カメラで建設現場を2、3分歩くと、AIが自動で図面に現場の状況を記録。現場監督が行う業務を代行できます。

 これにより、猛暑の日は現場監督を休ませるといった対策も可能になったといいます。

猛暑の日は現場監督を休ませるといった対策も可能に
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 建設業界で広がっているあの手この手の熱中症対策。今後、さらに増えていきそうです。

(「グッド!モーニング」2025年7月22日放送分より)

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