活発化する中国の軍事活動に日本はどんな対応ができる?

テレビ朝日政治部官邸キャップの千々岩森生氏
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 石破政権の先行きが危うい中、中国の活発な軍事活動に日本はどんな対応ができるのだろうか。

「日本としては大きく2つ。中国が嫌がる意味での日米の協力関係の強化。もう一つは、いろいろな自衛隊の資源を、南西諸島、つまり沖縄や特に台湾の対岸にある与那国島などを中心にシフトを始めている。大きく日米関係の強化、指揮系統の統一化などもはかっていて、さらに南西諸島の防衛への資源の移動、この2つで中国への対抗措置を練っている」

 なぜ中国は今、日本への軍事的圧力を強めているのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターで中国が専門の高口康太氏は、このように分析する。

「中国は外交的、経済的には日本との関係を良くしようと思っている。だが、日本からみると、軍事的圧力を強めているのではという話になる。中国は、外交や経済は機会主義的、つまり、今の状況はこうだから日本とは仲良くしよう、あるいは距離を置こうというような、その場に合わせて態度が変わる。ところが軍事は違っていて、1990年代ぐらいから目標が決まっていて、このタイミングでこれだけ軍事力を伸ばして海軍のプレゼンスを取るんだ、台湾の侵攻を可能にする軍事力を身につけるんだという大目標に向かって着々と進んでいる。外交では日本と仲良くしようと思っているタイミングでも、軍事の強力化のタイムラインは全く変更しない。日本からすると言っていることとやっていることが違う!というように見えるが、中国の中では矛盾がない」(高口氏、以下同)

 6月に空母が太平洋上に展開したのは台湾有事を見据えての演習ではないかという報道もあったが、危機が高まっているのか。

「台湾侵攻の準備をしているという意味では危機は高まっている。ただ、台湾侵攻のスケジュールが決まったから、軍事力を高めているという意味ではない。長いタイムスパンを持って彼らは能力を備えるための準備をずっと続けてきている。アクションを起こす日程そのものは全然決まっていない」

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