■選挙戦略、どこが間違っていた?
選挙戦では何を見誤ったのか。3人からは他党が政策として掲げたものは、過去に自民党が掲げたもの、もしくは取り組んできたものと同じものが多かったという意見で一致した。ならば、なぜ自民党は負けたのか。3人はそれぞれ選挙でのメッセージの伝え方についての課題をあげた。
和田氏は安倍政権時に広報担当をしていたこともあり、当時との差を強く感じたという。「不法外国人問題については強制送還がどんどん進んでいる。こういったところを我々はもっとしっかり打ち出す発信をしなければいけなかった。安倍総理の時の総選挙では、どうやって国民に希望を持ってもらえるかを、チームで考えた。(当時は)北朝鮮の脅威もすごかったので、保守政党としてしっかり政策を打ち出すこともできていた。今回も自民党はやることはやっているが、国民1人1人に届いていない。そこは全くダメだった」。
杉田氏は“ネット選挙”の中で遅れを取ったと訴える。「若い方はテレビを見ない。ただ自民党の中で、一定層の年齢以上の人や役職に就いている方はネットを見ないので、ネットリテラシーが本当に低い。もしみなさんがネットを一切見ないでテレビと新聞だけから情報を得ていたらこういう判断になるんだろう、こういう決定になるんだろうという部分がすごく多かった。今の世の中はそうではなくて、特に若い人はネットから情報を得て動いているので、そこを掴む力自民党は著しく低い」と、党としての意思決定に関わる人々のネットリテラシーに疑問を感じるとした。
長尾氏は、新興勢力に押される中で自民党が広く知られてはいないものの、着実に積み上げてきた実績をもっと伝えるべきだったと述べる。「新しい政党が掲げている政策は自民党の中でやってきたもの。(党は選挙で)やってきたことを『お店に出せよ』と言いたい。それを出さずに倉庫に置いたままで、他の党が『これ、いいんじゃない』と言っているだけだ。今の状況をどうするかと言われたら、まずはトップを変えて、国会でも与党と野党のメンツの張り合いを取っ払い『これは自民党が行った政策だから、野党のみなさんも一緒にやりましょう』と言えば空気感は変わるはずだ」。
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