■すぐ逃げる?慌てず逃げる?

津波は低くても危険
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 津波からの避難方法として適当なものは何か。今回は遠方での地震による津波だったこともあり、到達予想時刻まで1時間30分以上の時間的猶予があった。学校などでは炎天下の中、屋上まで避難する様子が見られた。また、自動車での避難によって渋滞が発生し、避難行動中の事故も発生。ある地域では避難中に崖から転落して亡くなった人もいた。

 長尾氏は「南海トラフであれば(津波が)すぐに来るので、とにかくすぐに逃げるというのは正しい。しかし今回は時間があった。炎天下にいれば熱中症にもなり2次被害が起こる。鉄筋コンクリートの建物であれば屋上まで行かなくても2階、3階で十分安全な場合もある。自動車も渋滞は道路のキャパシティーに対して5%ぐらいで起こる。なかなか根本的な解決策はないが、隣の人と乗り合うなどできればいい」と述べた。

 避難方法と同時に、長尾氏は自分が住んでいる地域がどんな地形で、仮に津波が押し寄せた時にどんなことが起こり得るのかを事前に知るべきだと呼びかける。津波であれば海底の地形次第で、他の地域より津波が大きくなることもあるからだ。「今のハザードマップはかなりよくできている。自分の住んでいるところは雨は大丈夫か、地震あるいは津波、がけ崩れはどうなのか。今のハザードマップは全部わかる。こういう機会に確認をしておくのは非常に大きな防災教育だと思う」。

■最新の地震・津波研究は
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