■最新の地震・津波研究は
地震・津波の研究は今も確実に進んでいる。東日本大震災を契機に、様々なことが分かってきた。津波の大きさについては、電離層(地球を取り巻く大気の上層部にある分子や原子が紫外線やX線などにより電離した領域)の変化で読み取れた。「宇宙にある衛星観測で津波の形がわかるようになった。津波が起きた部分だけ大気が押し上げられ、電離層にも穴が開く。海面がどれだけ盛り上がったかさえわかれば、後はスーパーコンピューターで計算するだけだ」。
さらにGPSを利用した研究は進み、マグニチュード8クラスの地震に見られる共通点もあったという。「全く新しい技術が宇宙から見つかった。今はAIの進化もあり、どれが前震でどれが本震かもわかるようになった。そのクラスであればよくて30分前には、来る前にわかる。我々としては技術開発を行って、これを気象庁が業務としてできる形にするのが4、5年の目標だ」。
地震・津波の情報が正確に把握できることは警報・注意報を早期に出すことだけでなく、解除のスピードアップにもつながる。「今、気象庁が最重要課題としているのは、いかに正確に解除するかだ。東日本大震災の時も、津波警報が24時間出っぱなしだったため自衛隊が海から助けに行けなかった。これが8時間で解除できていたら、救助の効率が劇的に違い、原発事故で助かった人も多かったかもしれない。だからこそ今『解除』を最優先に研究している」。
(『ABEMA Prime』より)
