将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Aリーグ2位決定戦が8月2日に放送された。チーム稲葉とチーム菅井が激突した本試合では、昨年、チーム稲葉のメンバーだった藤本渚六段(20)が3戦3勝でチーム菅井をけん引。最終スコア5勝1敗で勝利したチーム菅井が、Aリーグ2位で本戦進出を決めた。一方、前回王者のチーム稲葉は予選敗退となった。
勝てば本戦、負ければ予選敗退の大勝負で、“兄弟”チーム同士が再び顔を合わせた。稲葉陽八段(36)率いるチーム稲葉と菅井竜也八段(33)がリーダーを務めるチーム菅井が激突した注目の一戦。第1局では、前回大会でチーム稲葉のメンバーで、同じ井上慶太九段(61)門下の上野裕寿五段(22)と藤本六段が対戦した。藤本六段得意の雁木の出だしとなった一局は、大熱戦の末に藤本六段が勝利。チーム菅井に幸先の良い先勝を持ち帰った。
続く第2局では、勢いに乗ったチーム菅井の西田拓也六段(33)がルーキ―・吉池隆真四段(20)を撃破し、2連勝でリードを広げた。しかし、第3局で実現したリーダー対決では、稲葉八段が激しいたたき合いの末に菅井八段から白星を奪うことに成功。前回覇者としての意地を見せた。
しかし、チーム菅井を縁の下から支える西田六段は崩れない。再び後手番の第4局で登場すると、上野五段の穴熊を鋭く寄せ切り勝利。取られたら取り返す、というチーム戦らしい展開でピンチを乗り切った。第5局では、チーム菅井のエース・藤本六段が登板。同い年の吉池四段を相手に振り飛車を志向すると、ねじり合いから玉頭戦を制し勝ち星を上げた。
「素直に喜んでいいかは難しいところですが、2人が頑張ってくれたなと思っています」
