【WRC 世界ラリー選手権】第9戦 ラリー・フィンランド(7月31日〜8月3日)
WRC(世界ラリー選手権)の第9戦がフィンランドで行われた。現在ドライバーズポイントランキングトップのドライバーが沿道の木立に激突したが、そのタナックが平然とコース復帰する様子や表情や身体の強靭さが話題になっている。
フィンランドはハイスピードで駆け抜けるグラベル(未舗装路)ラリーで、視界の悪い森林地帯のなか、滑りやすい砂利道をシーズン屈指の最高速度で攻略する難コースだ。ヒョンデのオィット・タナックは前戦エストニアを終えた時点でポイントランキングでトップに立ち、彼にとってシーズンでも重要な一戦となっていた。
しかし、1日の競技2日目デイ2、はっきりしない天気の影響を受けたのか、右コーナーを曲がりきれずにコース外の木立に正面から飛び込んでしまう。インカー映像で見てもかなりの衝撃があったようで、衝突の瞬間ボンネットがひん曲がっている。タナックのヒョンデ i20 N ラリー1は右ライトやバンパーも破損しており、相当なダメージを負っているように見えた。
WRCの公式Xにはタナックのコメントが掲載されており、「かなり大きな衝撃だったので、無事だったことに驚きました」と述べている。ただし、本人は「大きな衝撃」と言ってるのにも関わらず、クラッシュ後、いつも通りのポーカーフェイスで、普通にバックしてコース復帰している。ラリードライバーは相当身体を鍛えているとはいえ、このボディとメンタルの強靭さは称賛ものである。
タナックはその後も走行を続けたものの、マシンに残ったダメージの影響か徐々にタイムを落としていき、デイ2を10位で終えた。さらに、タイヤチェックエリアで検査員に接触したということで、「危険行為」の5分ペナルティを課されてしまった。タナックにとっては期待外れの1日となってしまったが、ポイントリーダーとして最終日まで全力を尽くすに違いない。
(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
【画像】「かなり強い衝撃だった」公式Xが投稿した衝突後のマシン
