■どうすれば動物虐待は減らせるのか…心理を考える
過去には動物虐待から、人への犯罪に至った事例もある。1997年に小学生2人を殺害した通称「酒鬼薔薇聖斗」は少年時代、ネコなどに動物虐待を行っていた。2001年に小学校へ侵入し児童8人を殺害した男は、動物に火をつけて殺傷していた。また2004年に小1をわいせつ目的で誘拐・殺害した男も、過去に動物虐待を行っていた。
細川氏は虐待防止の活動を行っているが、「どうしても対症療法的なことしかできない」のだそうだ。「虐待が行われているのではないかという通報が、全国で年間200〜300件ある。その中で証拠があり、刑事告発できるものは、警察に捜査してもらう。われわれには捜査権限がないため、獣医師の協力を得つつ、弁護士の知見を使って、警察に適切につなぐことに力を注いでいる」。
虐待を行う人物像について、出口氏は「社会の中で受け入れられていない思いが強い。被害意識や疎外感を覚え、どんな行動をしても『自分は悪く思われている』と感じる。その不満から絶対的弱者に向けて攻撃するパターンばかりだ」と分析し、「『失うものがなく、捕まっても仕方がない』という、いわゆる“無敵の人”が生まれると、虐待がエスカレートして、歯止めがきかない時代になる」と話す。
そして、「誰かが話を聞くことが重要だが、いまの世の中は『出る幕じゃない』『お節介かな』と遠慮しがちだ。かつては皆お節介だったが、どんどん抑制されていて、はみ出したままの人がいる。それを引き入れられるかで、かなり違ってくる」とした。
動物虐待以上に発展する可能性はあるのか。細川氏は「似たような行為をやることで、スカッとして、本質的なところまで踏み込まないという考えがある一方で、やることによりエスカレートするパターンもある」と話す。出口氏は「攻撃性は誰にでもあって当たり前で、なければ困る。ただ、適正な方向に出さないといけない。歪んでいる方向で出すのは絶対にダメだ」と断言する。
動物虐待を目にしたらどうすればいいか。まずは見つけた状態を写真・動画撮影し、証拠を保全する。そして、警察の生活安全課や動物愛護センター、自治体の環境衛生課などに通報する。どうぶつ弁護団は、「事件を発見、認知した人が警察へ捜査のきっかけを与えることが重要」としている。
(『ABEMA Prime』より)

