■逆算して将来設計する場合も?

学力低下にスマホ悪玉論
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 コラムニストの小原ブラス氏は、「“学力”の測り方が前時代的に思える」と疑問を呈する。「いまの学力は結局、暗記などでの記憶や知識で、算数でも計算ミスがない人が高得点を取る。ただ、現代ではExcelを使う能力があった方がいい。昔は情報にアクセスできず、知識を頭に入れている方が役立つ時代もあったのだろうが、いまは『どれだけ早く正確に情報を引き出すか』の方が時代に合っているのではないか」。

 乙武氏は「これまでゲームは『大人が作ったものを子どもが消費する』構図だったが、ChatGPTなどの出現で、小さな子どもでも簡単なゲームなら作れる時代になった。享受して消費する立場から、創作する立場への移行が、テクノロジーの進歩で成り立ちやすくなっている」と考察。

 バンド「キュウソネコカミ」のヨコタシンノスケは、「音楽の才能にあふれる若い人が増え、スマホなどで集めるデータで、効率よく作っている。学力ではないが、スマホで才能を伸ばしている人もいる」との見方を示す。

 宮坂氏は「いまの子たちは、スマホで情報収集することが身近なため、昔よりも社会課題に関心がある。高校生でも『ゴールドマンサックスに就職したい。そのために、いまこういう勉強をして、この大学へ行き……』と逆算して将来設計する場合がある。日頃から情報収集しているからこそ伸びる。生成AIが登場して、将来設計が求められている時代にはいいことだ」と前向きにとらえている。

■「『欲しいものがすぐ来る』スマホの相性が悪い」
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