絶対に勝つ――、そんな強い気持ちがあふれた一手だった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」予選Bリーグ2位決定戦、チーム天彦 対 チーム永瀬が8月9日に放送された。本試合で2度目のリーダー対決となった第5局では、黒星先行となったチーム永瀬の永瀬拓矢九段(32)が逆転を生む一手から執念の勝利。△7八角の瞬間には、聞き手を務めた伊藤沙恵女流四段(31)からは「うわっ!すごい手が…」の声が上がっていた。
1勝3敗と苦しい戦いを強いられることとなったチーム永瀬。第3局でのリーダー対決・永瀬九段VS佐藤天彦九段(37)戦では、序盤から積極的な攻めを繰り出した佐藤九段に対し、永瀬九段の粘りも実らずに鋭く寄せ切られる形で黒星を喫していた。
2度目のリーダー対決となった第5局では、永瀬九段が絶対に負けられないという強い気持ちを漲らせて対局場へ。佐藤九段の先手番で始まった一局は、3三金型角換わりの戦型となった。
「なんだ?これは…なんですか?」
