■竹中平蔵氏「8月15日に公式参拝しても文句はずっと言われる」
経済学者の竹中平蔵氏は、靖国神社の在り方にも疑問を持つ。「靖国神社は国の管理のもとに作られたものだったが、戦後に民間の宗教法人になり性格が大きく変わった。しばらくは公人が行くことに問題はなかったが、A級戦犯を合祀したことで、海外がいろいろ言うようになった。毎年、靖国神社の名前が出ることですごく注目を集めるので、マーケティングになってしまっている。これ以上、外交問題に巻き込まれないようにするため、またマーケティングに踊らされないようにするため、今のままにして、荒立てる必要はないのではないか」。
これに田母神氏は「今のままでは外交上、いろいろな注文をつけられる。強く言えば必ず言うことを聞くと思われる。よその国もやっているのだから普通にやればいい。総理は毎週、靖国に行ったらいい」と述べると、竹中氏は「8月15日に公式参拝をすれば、向こうが文句を言わなくなるかといったら、そんなことはない。この問題は何を言ってもずっと文句を言われる。それが外交だ」と反論していた。
また脳科学者の茂木健一郎氏は別の視点として、日本独特の宗教観から海外に向けて説明する必要性を説いた。「日本の伝統的な宗教観から言うと、日本の神社はもともと敵でさえ神社で祀ったりするので、西洋的な正義と悪という価値観と違う。A級戦犯の合祀となると、グローバルな文脈で言えばあたかも何か悪いことをした人を賛美しているように聞こえるが、日本では滅ぼした相手も神社で祀るぐらいだ」と、死者に対して善悪を超えた日本式の考え方を伝えるべきだと述べていた。
(『ABEMA Prime』より)

