第4局は佐藤九段が糸谷八段と再戦し、中盤からペースを握ってそのまま快勝。スコア3-1と頭一つ抜け出すと、第5局は増田八段の出番。豊島九段との再戦になると、70手過ぎまでほぼ互角というじっくりとした展開になったが、中盤から終盤にかけて豊島九段の攻めに対してカウンターを取るように増田八段が反撃。両者、秒を読まれる激戦の中、豊島九段が強引に攻めてきたところを切り返し、激戦を振り切った。
勝利に王手をかけて迎えた第6局も広瀬九段と大石七段の再戦に。角換わりの出だしになると、中盤は両者の馬が盤面中央で踊る展開に進んだが、手厚く守りつつ駒得を重ねた広瀬九段が終始リード。大石七段が終盤、必死に後手の玉頭に戦力を集中したものの、落ち着き払った広瀬九段が勝勢。最後まで指し手が乱れることなく勝利を収め、同時にチーム勝利も手にした。
試合後、佐藤九段は「どういう戦いになるか予想がつかなかったですが、最初の方からいい流れになりました。自分自身も2連勝できましたし、このルールは1局目でどういう将棋が指せるかで精神的に大きいので、よかったです」と喜びを語ると、決勝に向けては「なかなか予選の1局1局を勝つのも大変なので、決勝の舞台はとてもうれしいですし、楽しみにしています」と笑顔だった。
◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
