相矢倉の出だしから中盤までがっぷりと四つに組み合うような展開の中、終盤にハプニングが待っていた。後手の豊島九段が相手に飛車を打ち込み、強引に局面の打開に挑んだが、ここから形勢は増田八段に。さらに苦しくなった豊島九段だが、114手目に△7六金と、残り時間2秒とぎりぎりのところで打ち込んだ。ところが手つきが慌てた影響もあり、その反動で駒台に乗っていた金が落ちてしまうハプニング。しかもすぐ下ではなく、盤の下に潜り込むように落ちてしまったため、豊島九段は時間がない中、必死に金を探すことになってしまった。

 このハプニングに観客席から悲鳴があがると、解説していた佐藤紳哉七段(47)も「金探してる!ハプニング、ハプニング」。ABEMAのコメント欄にも「やっべw」「どっかにいったーーー」という書き込みが並んだ。結果、対局は増田八段に競り負ける形になった豊島九段だが、その後のオーダー会議では「途中で駒を落としてしまって、なかなか見つからなくて。焦りました。失礼しました」と苦笑いしていた。

ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
(ABEMA/将棋チャンネルより)