【写真・画像】 2枚目
拡大する

 藤井竜王・名人は7つのタイトルを保持しているため、予選対局に出場することはほとんどない。そのため、藤本六段はチーム藤井との対戦が決まったときから「藤井竜王・名人と、どうしても指したかった」と意思を示していたという。

 対戦は後手番の藤本六段得意の雁木に対し、藤井竜王・名人は急戦を選び早々に激戦へと突入した。勝負は藤井竜王・名人が圧倒的な経験値を示す形で、時間切迫の中で鮮烈な4五銀!藤本六段は逆転を狙って馬の利きを活かして先手を捉えに行こうとしたものの、銀を捨てて馬に仕事を指せないという圧倒的な構想力の見応え充分の一局に、トップ棋士たちからも「さすがとしか…」「4五銀と指してくるのは相手が強かったと見るしかないな」などの声が上がっていた。

 注目の一戦を制した藤井竜王・名人は「終盤は時間もなく、わからないままやっていました。失敗したかなと思ったところもありましたが、なんとか最後は幸いしました」。一方、藤本六段は「序盤でかなり時間差が付いてしまった。終盤は怪しくなったところもあったみたいですが、時間がなくて全然わからなくて…。残念な気持ちが大きいです」とコメント。「前例のある将棋だということは知っていたが、後手番ではどう指していいかわからなかった。藤井竜王・名人はその先もわかった上で指していたのかもしれない。大きな差になってしまった」ととその圧倒的な研究量にも感服していた。

 近い未来に必ずタイトル戦で盤をはさむことになるであろう、藤井竜王・名人と藤本六段。その舞台ではどんな激戦が繰り広げられるのか、その日の到来を願わずにはいられない。

ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
ABEMA/将棋チャンネルより)

この記事の画像一覧
【映像】藤井聡太竜王・名人の「4五銀」に歓声を上げる解説陣
【映像】藤井聡太竜王・名人の「4五銀」に歓声を上げる解説陣
この記事の写真をみる(2枚)