「都市を手中にする。」「緑に、住まう。」など独特の表現が、時に話題になるマンションポエム。ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、その魅力に迫った。
マンションポエムとは、新築の分譲マンションを販売するときにつけられる「詩をうたう」ような独特の文体のキャッチコピーを指す。
これまで1600件以上のマンションの広告を収集し、「マンションポエム」の名付け親だという写真家の大山顕氏は『マンションポエム東京論』という研究本を出している。
きっかけは、20年前に遭遇したあるマンションの広告。その“斜め上”のコピーに魅了されたという。
「お台場を惑星に例えている『PLANET DAIBA』というコピー」「今でもこれを超えるポエムはなかなかない」(大山顕氏、以下同)
2004年に販売を開始した東京・お台場にあるタワーマンション。本来、恒星ではない惑星は輝かないが、お台場を「惑星のような輝きを放つ」エリアと表現したところに、こだわりを感じるという。
また大山氏は、マンションポエムにはいくつかの特徴があると語る。
「『世界征服系』と呼んでいるジャンル。『掌中に収める』とか『手中に』とか」「一生に一度の高額商品の買い物なので、テンションを上げていかないといけない」
「世界一のターミナルから、あらゆる都市を手中にする。」(シティタワー新宿/住友不動産/2023年築)「豊かな自然と都心の利便を掌中に。」(パークホームズ浜松町/三井不動産レジデンシャル/2023年築)など、大山氏が「世界征服系」と呼ぶマンションポエムについて、以下のように語った。
「マンションは決済が遠く、ボタン一つで買うものではなく、専門の営業さんが付き資料請求をして、ギャラリーに行き、銀行等のローンの折衝が始まり…買うのは1年後や2年後になるため、早々に最初に見たコピーのことは忘れてしまう。入口で気を引くための機能しか任されていないため、多少、浮世離れした表現が許される商品特有のコピーゆえの“ポエムみ”が面白い」
消費者の購入意欲をそそるためディベロッパー側も広告には力を入れている。
「ディベロッパーや地域によって全然違うが、一説には(広告費は)販売価格の3~5%程度と言われている」
マンションポエムに潜む「。」「を」のヒミツとは?
