【写真・画像】チーム天彦が初の栄冠!チーム藤井とのフルセット大激闘を制し今期の最速・最強の座に就く/将棋・ABEMAトーナメント2025 1枚目
【映像】今!?めちゃくちゃ勝負所でリップを塗る佐藤九段
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 将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」決勝戦、チーム藤井 対 チーム天彦が8月23日、東京・将棋会館内の特設スタジオで指され、佐藤天彦九段(37)率いるチーム天彦が最終スコア5ー4で勝利。4年ぶりのV2を狙っていたチーム藤井の猛追を振り切り、チーム天彦が初優勝を飾った。

【映像】今!?めちゃくちゃ勝負所でリップを塗る佐藤九段

 頂点を争う決勝戦にふさわしい大激戦を制したのは、チーム天彦だった。チームの主軸となったのは、今期のドラフトで“ヘッドハンティング”した増田康宏八段(27)だった。第1局に登板すると、斎藤慎太郎八段(32)を相手にパワー全開の指し回しを見せて快勝。チーム天彦に幸先の良い先勝を持ち帰った。しかし、簡単に流れを渡したくないチーム藤井は2戦目に藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋聖、棋王、王将、23)のカードを切り、佐藤九段とのリーダー対決が実現。ここでは佐藤九段が奇襲とも言える作戦を披露したものの、藤井竜王・名人がすべてをかわしきる冷静な対応を見せて白星を手にした。

 続く第3局ではチーム藤井の古賀悠聖六段(24)が『詰将棋パラダイス』のチーム名通りの終盤力を見せつけ、広瀬九段に勝利。藤井竜王・名人らと「詰将棋、意味ありました!」と笑顔を交わす名場面が生まれた。1ー2とリードを許したチーム天彦だったが、第4局ではエース・増田八段が斎藤八段を撃破。続いた広瀬章人九段(38)も第3局のリベンジとばかりに古賀六段を破り、逆転に成功した。

 勝負所の第6局では、2度目のリーダー対決が実現。ここでは佐藤九段が四間飛車を志向したものの、攻め合いから藤井竜王・名人が怒涛の攻めを見せて星をもぎ取った。それでも“取られたら取り返す”とばかりに、第7局では最後の登場となった増田八段が古賀六段に勝利を飾り、チーム勝利に王手をかけた。

 後がなくなったチーム藤井は、第8局で藤井竜王・名人の出を決断。異例とも言える3度目のリーダー対決となったが、ここでも佐藤九段を破り、圧巻の個人3連勝を飾るとともにフルセットに持ち込んでみせた。最終第9局では、チーム藤井・斎藤八段とチーム天彦・広瀬九段の対決に。互いに絶対に負けられない思いを抱え、ギリギリの激戦を繰り広げた。最終盤までどちらに勝ちが転がり込むかわからない接戦が繰り広げられた末に、最後に広瀬九段が抜け出し勝利。決勝戦にふさわしい大熱闘に、公開生対局を見届けたファンからは惜しみない拍手が送られていた。

「よく勝てたな、というのが本音」
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