■核武装論のタブー視

古森義久氏
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 ジャーナリストの古森義久氏(84)は、日本の核武装は選択肢の一つと考えている。「日本では核武装論がタブー視され、少し言っただけで軍国主義者の危険人物として扱われてきた。しかし、日本の防衛が一番大事なら、そのためのあらゆる手段を考えていい」。

 そして、「核兵器は、実際に使うよりも、『使うぞ』と脅すことがプラスになる。インドとパキスタンは、両方が核兵器を持っているため、『互いに使わない』と抑止できている。国会議員が『核武装もあり得る』と自由に言えるようになったのは、日本の防衛にとって前向きな展開だ」と評価した。

 元外交官の金子熊夫氏(88)は、日本は核武装せずに現状を維持していくべきだと考える。NPTについては「脱退できる。将来国家の最高の利益が損なわれた時には、条約の規定に従って脱退する権利があると明言されている」と説明する。

 NPTに関する国際交渉に関わった経験から、加盟は「正しいと思ったから決断した。必然だった」と振り返る。「NPT加盟が議論されている頃に、佐藤栄作総理が“非核三原則”で核の軍事利用を放棄してしまった。そのため、平和利用が担保されれば、NPTに入らない理由はなくなった」。

■「『安いから持っていい』『持たなきゃ他国になめられる』議論はすべきでない」
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