【MLB】パドレス 5－1 ドジャース（8月23日・日本時間24日／サンディエゴ）
ドジャースの大谷翔平投手が、敵地でスーパースターぶりを発揮した。パドレス戦に「1番・DH」で先発出場すると、スタンドではMVP男の打席を記録に収めようと、みな一様にスマホを構える異様な光景が訪れた。
パドレスの本拠地ペトコ・パークで行われたナ・リーグ西地区の首位攻防戦第2ラウンド。前日の試合を終えた時点でゲーム差はなし。まさに天王山となった一戦だ。ロサンゼルスとサンディエゴは距離が近いため、ドジャースのユニフォームを着たファンの姿も見受けられたが、スタンドの大半はパドレスファンで埋まり、スタジアムの至るところから大きな声援が送られていた。
しかし、憎きドジャース相手でも、大谷が打席に入るとスタジアムの雰囲気は一変する。ドジャースファンのみならず、パドレスファンまでもがスマホを構え、大谷の一挙手一投足を追い始めるのだ。4回表、先頭打者で迎えたこの日の第2打席でも、大谷が映し出される打席の背後では至るところで"撮影"が行われていた。
いまやどの球場でも見られる"おなじみの儀式"とはいえ、ライバル意識の強いパドレスファンが、真夏の首位攻防戦という緊張感の中で相手の主砲にカメラを向ける光景は、やはり異様とも言える。ただしそれはすなわち、それだけ大谷がスーパースターとして認められている証なのだろう。
もちろん、大谷が凡退すれば、スタンドにはパドレスの投手を称える拍手が響く。その瞬間に、やはりここはパドレスの本拠地なのだと実感させられる。この日、大谷のバットから快音は響かず、4打数ノーヒット。観客にとって"お宝"になりそうなホームランは生まれなかった。パドレスファンにとっての理想的な展開とは、チームが勝利した上で、さらに大谷のホームランをスマホで撮影できることだったのかもしれない。
この日のパドレス先発コルテス投手は試合後のインタビューで、大谷との対戦での大歓声を「まるでテレビゲームのようだった」とコメント。満員御礼のペトコ・パークの観客も同様に、首位攻防戦でのスター対決に酔いしれていたはずだ。
（ABEMA『SPORTSチャンネル』）
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