マニラ警察は「強盗は捜査をかく乱するためで、本来の目的はターゲットを絞った殺害の可能性が高い」と18日に発表。マニラ警察の指揮官は「首謀者は日本にいる」と、日本人の首謀者から殺害を依頼された可能性が高いとした。

 逮捕された旅行ガイドは、日本にいるとされる首謀者がマニラに来た際、ドライバーで雇われる関係だと供述。首謀者から約2300万円で殺害依頼を受け、前金として2万6000円を受け取り、犯行に及んだという。警察は被害者2人と首謀者の間に金銭トラブルがあったと見ている。

 マニラに駐在する日本人向けのメディア「まにら新聞」の中村浩久編集長は「(900万ペソ、2300万円は)フィリピンで殺人を依頼する金額としてはべらぼうに高すぎて。フィリピン人がフィリピン人を殺害したみたいな事件で5万から10万ペソ(約12万円から25万円)ぐらいなので、額が離れすぎている」と疑問を呈する。

 報酬の2300万円という金額は、フィリピンの平均年収のおよそ38倍。その金額を支払ってまで殺害を依頼したとするなら、背後に何があったのか。そして首謀者はトラブルがあった被害者2人に対し、どのようにしてガイドを近づかせたのか。元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は「計画的犯行としては、かなりずさんだ」と指摘する。

フィリピン人脈が広い元暴力団幹部に接触
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