勉強やスポーツで忙しく過ごしたり、旅行や家でまったりなど、いろいろな形で夏休みを満喫した子どもは多いと思うが、大人たちの中には、夏休みが終わることにホッとしている人も少なくないという。
というのも、子どもが夏休みに入ると、親には様々な負担が一気に増えると言われているからだ。
普段学校にいる子どもが家にいる時間が増えることで、「1日3食作る必要がある」「洗濯や片付けの回数が増える」などの家事の量が増えたり、「子どもの宿題などのサポートをする」という夏休みならではの関わりが増えたり、「お出かけの費用や、そもそも普段の光熱費や食費が上がる」といった経済的な負担も生まれる。
このように多くの大人が、夏休みシーズンを自分の休息に充てられないという事情がある中で、そもそも「休みを取得しづらい」という課題が浮き彫りになりつつあると言われているのが「フリーランス」で働く人たちである。
あるアンケート調査では、「休日の概念がなく、仕事のことが常にうっすら意識の片隅にある」と答えた人が6割以上にのぼったほか、「休日」を取得することにネガティブな感情を抱く人や、最終的にメンタルの不調へとつながる人もいるようである。
個人のライフスタイルに合わせた柔軟性のある働き方として期待されている一方で、なぜ、「フリーランス」の中で“休み辛さ”に悩む人たちが生まれているのか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーター、精神科医でスポーツメンタルアドバイザーの木村好珠氏はこのように述べる。
「仕事とプライベートの境界が時間ということ。いつやってもいいし、いつ休んでもいいという時間の境界が曖昧。そして、フリーランスだと自宅で仕事をしている人も多いので、空間的に仕事とプライベートの境界が曖昧になっている。この2点が両方とも曖昧になっている人が非常に多い。コロナ禍でリモートワークになったときも、空間的な境界がつけられなくて困っている人が多かった」
木村氏は「働きたいという気持ちは大事だが、体は絶対疲れている」という。
「デフォルトモードネットワークというのが人間の脳にある。想像力を生むとき、ぼーっとしているときやリラックスしているときしか無理。ずっと働いていると、その発想力などがなかなか生まれないことも多い。働き詰めの人、働かなきゃと思ってワーカーホリック気味になっている人は、仕事のために休む日を作って休んでいただきたい」
フリーランスの57.2%が休日取得に“ネガティブ”
