調査の経緯
「悩みを抱えている少年少女が集まるコミュニティをオンライン上で行っているが、9月1日は子どもの自殺が増えやすい日。自殺対策白書でもわかっている。その中でも、子どもたちの声は学校のアンケートで聞かれているように見えて、悩んでいる子こそ本当の声をアンケートに書かなかったりするので、インターネット上で本音を言っている子たちの声を社会に発信していきたいと思い、調査を行った」(奥村氏)
回答した216人の内訳を見ると、中学生が最も多かった。なぜ中学生が多いのか。精神科医でスポーツメンタルアドバイザーの木村好珠氏は次のような見解を示す。
「中学生はすごく難しい年代。まだ義務教育の中にあるので、親の存在が大きい中で思春期が始まり、自我というのも出ている。ただ、その社会というものが、家庭の存在と学校、それ以外はなかなかまだ持てない。外の世界はなかなか持てない中で、自分自身の居場所がどこなのか存在を置きにくい。高校だったら転校という選択肢ができるが、義務教育中はなかなかできない。中学校が合わないときどうすればいいのとなったとき、親に相談したら行きなさいと言われることも多いし、学校がしんどいとなってしまう」(木村氏)
大学時代にネット上での若者の居場所作りの活動を開始した奥村氏。活動を開始した背景を明かした。
「活動の開始のきっかけは私の弟が自死で亡くなったこと。私の家庭は、虐待のような生きづらさを抱えていたわけではないが、教育に厳しいところもあったり、厳しい言葉などがある中でそういったことが起きた。私たちのような、分かりづらい生きづらさではないが、でも支援の空白地帯で1人で悩んでいる子たちはいるのではないかなと思って活動を始めた」(奥村氏、以下同)
当時、相談窓口も利用していたそうだ。
「高校生のときに、親のことを悪く思う気持ちももちろんないが、でもしんどい気持ちがあって相談窓口に電話した。でも虐待ではないので、何かあるというわけでもなく。そんな最中でこういったことが起きた」
“グレーゾーン”での大きな課題は
