■柴山衆院議員「自治体はどういう対策をとってきたのか」
メガソーラー事業者側は20日、市議や市長、環境省宛に見解書を提出。法令を遵守、市とも協議を重ねて進めてきており、事業中止には応じられないとしている。また、市の宣言に強制力はなく、タンチョウやキタサンショウウオなど希少生物に関する専門家の調査結果を提出し、配慮して建設を進めたいとしている。
自民党「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」の会長を発足当初から務める柴山昌彦衆院議員は、批判は「当然」との受け止めだ。一方で、「釧路市長は最近になって『ノーモアメガソーラー宣言』をされたが、行政的な手続きをしてきた計画のはずで、こうなることはわかっていただろう。一番近くでその是非について判断するべき自治体が、これまでどういう対策をとってきたのかは疑問だ」との見方を示す。
日本国土・環境保全協会代表理事で山梨大学名誉教授の鈴木猛康氏は、「全国の地域で、大きな山の斜面が壊されたり、山全体や島の4分の1がパネルで覆われるようなことが発生している」と現状を指摘しつつ、「自治体では対応ができていない。法整備が圧倒的に欠けている」とコメント。
また、環境影響評価(環境アセスメント)をめぐり、「事業者が発注しているので、自分たちに都合のいいことだけを書いてくる。例えば福島市の先達山は、山肌が露出して大きな猫の顔みたいなものが見えているし、パネルに光が反射してドライバーが運転できないという声もある。それでも福島市は景観法違反とは言わない」と問題提起した。
これに柴山氏は、「これまで行政は利益相反に対する感度が鈍かったと思う。何か不祥事が起きた時、第三者委員会のような利害中立な組織が判断を下すことが重要で、環境アセスメントも同じだ。今の法律やこれまでの地方の規制の下では適法とされてきたものが、今明らかに問題だということであれば、やり直しもあって然るべきだと思う」との見方を示した。
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