■「日本企業は人事部が強すぎる」
安田氏は「グローバルカンパニーでは、部下のパフォーマンスが上がらないのは上司の責任だ。ローパフォーマーが出たら困る。部下が下手を打てば、自分の責任になるから、普段から気になって仕方ない。日本の管理職が1on1面談のやり方がわからないと言うのは、部下の育成ややる気の出し方がわからないということだ」と指摘する。
武藤氏は「日本企業は形ばかり気にする。対話の場では、ただ聞くだけでなく、答えが返ってくるから、安心して話せる。しかし、その前提がなく、なんとなく形でやっている会社が多く、本当の意味での1on1ができていない。大規模でも小規模でも、組織に必要なのは1対1で相手を理解して、一緒に何をやるかだ」との持論を述べる。
安田氏によると、「グローバルカンパニーのマネジャーは、ピープルマネジメントが100%だ。トップセールスの実績があっても、営業課長になれば『営業マンを使って、チームの成果を上げるのが仕事だ』となり、ドアオープンとクロージングだけを行う」という。しかしながら、「日本の管理職は、プレイングマネジャーだ。ピープルマネジメントが20〜30%なこともざらで、部下のことを見ていないから、フィードバックができない」のだそうだ。
アクティビスト個人投資家の田端信太郎氏は、「日本企業は人事部が強すぎる。人事部が評価権を持ち、ボーナスも4段階程度しか差を付けない。外資系は基本的に、現場のマネジャーが査定や昇進、クビの権限を持っている。両方を経験した身から言うと、クビや採用、ボーナスをいじる権限の“レバー”がなくて、部署の成果に責任を持てるわけがない」との体感を語った。
(『ABEMA Prime』より)
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