■“社内ニート”でも満足な生活
30代会社員のねくたいさんは、大企業の総務で働きながら、やりがいを求めず「窓際社内ニート」を自称している。「年功序列の大企業で窓際社員が最高!」だとして、新卒から一社一筋だ。数年前から総務部となり、専門スキルは一切必要ない。年収890万円で、残業も部下もゼロ。妻と子ども2人と暮らしている。
日常業務は「他部署からの問い合わせに対応する総務のお仕事」だ。具体的には、HDMIケーブルの貸し出し、時計の電池交換、複合機の紙詰まりを直す、蛍光灯の修理依頼、社用車の修理依頼などがある。
仕事観としては「総務は成果が見えづらく、年功序列はありがたい。サラリーマンのメリットは、毎月給料がちゃんと入ること。生活に苦しむことはなく、挑戦は副業でやればいい」と語る。
とはいえ、当初は頑張る気持ちもあったそうだ。「20代の頃は『何者かになりたい』と一生懸命で、仕事にもやりがいがあった。ただ総務に異動して、やりがいを感じなくなった。今は『年収がこれだけあれば、やりがいがなくても続けていくべきだ』と考えている。専門性を持ちたかったが、総務は雑多な仕事が多く、なかなか希望とマッチしない。いまは自分の心を落ち着けている」。
■若者に足りないのは「欲」?
