岩手県にある国立天文台の観測所は、人類史上初となるブラックホールの撮影に貢献するなど、天文学の重要な研究拠点だ。また宇宙の美しさや不思議さを学べる場所としても、多くの人に愛されている。
しかし、10年前と比べて予算が半減し、資金不足に悩んでいるという。先日も、東京にある天文台本部が、SNSで「寄付」を呼びかけ、「国は何しているの」「ぜひ税金を使ってほしい」など、声を上げる人が続出した。
国立天文台や国立大学は、2004年に法人化されて以降、国からの交付金が減り、研究資金の確保が大きな課題になっている。そこに物価高や人件費の上昇など、さまざまな要因が追い打ちをかけているという。
そもそも天文学は、自然現象の原理などを探る「基礎研究」であり、すぐに実用化や利益にはつながらない。しかし、世の中を豊かにする科学技術は、根幹に基礎研究があるからこそ成り立つ。資金不足により人員削減が起きると、任期付きの若手研究者が対象になりやすい点も課題だ。
国立天文台では、クラウドファンディング挑戦などの打開策を打ち出しているが、ギリギリの状態が続いている。『ABEMA Prime』では、職員から資金不足の実情を聞くとともに、基礎研究の重要性について考えた。
■国立天文台とは?
