事実、法務省のホームページでは2024年に行われた司法試験に対して「乱雑又は極めて小さい文字や略字を用いていて判読が困難なもの、第三者が読むことに対する意識が十分ではない答案も一定数見られた。これらは、解答者の法律家としての素養を疑わせ得るものであり、強く改善を求めたい」と総評している。

 男性は「そんな能力は実務家になったら無意味なので、精神的な徒労感があった」と語る。男性によれば判決文は現在でこそパソコンが導入されているものの、元々は手書き。きれいな字で読みやすく手書きで作成するという名残があるのでは、と推測する。

 さらに男性は「憲法で定められた“職業選択の自由”を害しているのではないか」と指摘したうえで、「職業選択の自由とは、誰しもなりたい職業に就くことができるというのが基本理念。もちろん、それぞれ採用については試験などの自由を阻む壁は存在します。しかし、その壁を最低限に抑えるというのが職業選択の自由の理念のはずです。一般企業はその採用方法については自由ですが、司法試験は法務省、つまり国の所管です。国が合理性のない手書きを強要するのはまさに憲法違反ではないでしょうか」と訴えた。

「来年から司法試験のPC受験が開始されるので訴えた意義はあった」
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