徳本氏は日々「プレーヤーが多すぎる」と感じている。小規模農家の数が多いために、地域でもコンセンサスが取りづらく、話が前に進みづらい。「今、コメ農家の集積は日本農業の一丁目一番地。全国に400万人の農家、230万ヘクタールという田んぼがあるが、地域でもいろいろな意見がありすぎてまとまらない」。細々と続けている農家が減り、集約して大規模化、効率化が進むことで事態は好転するという見立てだ。
手応えは十分にあるという。「これからも産業政策として間違いなく生産性は高めていかないといけない。僕らは1キロ120~130円で玄米を作れている。それで今みたいな米価であればとても儲かるし、円が下がったとしても輸出で十分戦っていける。クオリティに関しても基本、問題はない。もちろんトップブランドと比べれば劣るかも知れないが、基本的な流通に対しては海外米と比べても勝てるクオリティで作れている」。
その上で、田んぼの集積や最新技術の導入は急務だと訴える。「僕は中山間地でやっているが、どんどん手放す田んぼが出てきていて、もう受け入れられないほどだ。本当に集積して基盤整備をしないとどこかで沈没する。5年後、10年後を考えてどんどん現場が働かないと、中長期で見たら日本の生産は絶対に落ち込んでしまう」。
(『ABEMA Prime』より)
