■日本の再エネに勝機はあるのか?

洋上風力発電のコスト
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 山本氏は「よく『発電コストが下がっている』と言われるが、再エネには空間的・時間的費用がかかる。“空間的費用”は、秋田や青森沖など洋上風力で起こした電力を、東京などの消費地へ送る費用がかかる。“時間的費用”は、太陽光であれば夜間などがある」と説く。また、「火力発電も、二酸化炭素を出さない水素やアンモニアによるものが考えられる」と、既存技術の進化にも触れる。

 費用面については、「コストが高いと電気代が上がるが、われわれはそんな高額を負担できるような経済環境にあるのか。選挙で過半数が『消費税を払いたくない』と言っている国で、電気代を上げられるのか」と疑問を投げかけつつ、「洋上風力では『日本には風が吹くところがある』と言われるが、イギリスと比べると半分ぐらいしか吹かない」とも話す。

 日本政府は、将来的に「再エネ比率5割」を目指しているが、これには「実現は非常に厳しい」と見ている。「日本の自然条件や発電コストが、残念ながら欧米に比べると適していない。そこにインフレの影響で、資材価格が下がらず、発電コストが上がる状況が続いている。『国策だから』とはいえ、民間企業には株主も従業員も、取引先もいるため、明らかにもうからない事業は難しい」。

 夫馬氏は、この問題は「産業政策を作るうえで、どこに市場性があるのか」につながるとする。「アメリカでは第2次トランプ政権が誕生して、化石燃料を掘る方針を示したが、ほとんど案件は出ず、まだ再エネと原発の方が進んでいる」。

 具体的に「『日本はどこで産業政策の旗を揚げるか』といえば、火力発電は分が悪く、今回撤退した三菱商事も市場性と見通しがないからやらない。旗印を上げるうえで、洋上風力は選択肢の1つで、核融合もあり得る。ここは戦える余地があり、技術を作っていくべきだ」と提言する。

 ひろゆき氏は「『発電したらいくら』という入札方法が間違っている。『この規模で発電効率がいいものを作り、一定基準を達成すればお金を出す』形が望ましい」とアドバイスする。「NASAは『10万キロ飛べるロケットをつくった会社にお金をあげる』とした。誰でもいいものを作った人にお金をあげればいい。いろんな会社が作って、より良いものを研究する」。

 そして、「将来的に日本国内でエネルギーを作り出せないと、『円安の物価高で何もできない』という悪循環に入ってしまうため、研究開発にはお金を使うという思想になってもらった方がいい」と求めた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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