不利な選択へ誘導する“ダークパターン”の実態
【映像】“半額セール”ダークパターンの実際の画面
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 「通販で注文した商品が、勝手に定期購入になっていた」「サブスクをようやく解約できたと思ったら解約料を取られた」――このように、消費者を不利な選択へ巧みに誘導する手法「ダークパターン」の被害が増えているという。

【映像】“半額セール”ダークパターンの実際の画面

 東京科学大学のシーボーン・ケイティー准教授が、ショッピングや音楽ゲームなど、国内向けの人気アプリ200個を調べたところ、さまざまなダークパターンが発見された。購入者を焦らせる「カウントダウンタイマー」や「在庫残り1個」といった表示、さらに悪質なケースでは、「残り1個」とされていた13万円のパソコンが、下にスクロールすると目立たない場所で同じ商品が12万円台で販売されていた。アプリ200個のうち93.5%で「ダークパターン」を、平均で「3.9」種類の手法を確認したということだ。

 中には、犯罪被害に巻き込まれた人もいる。20代後半の烏賊さんは5月、欲しかったバイクのパーツを通販で見つけた。「生産中止のパーツが1点限りで、約半額でセールされていた」と思い購入するも、商品が届かず、サイトに記載された連絡先に問い合わせても電話はつながらない。「1万円もいかなかったが、ちょっとした勉強代として諦めがついた」。

 実際に番組スタッフがその住所を訪ねると、そこは京都の山の麓にある住宅街。建物の関係者に確認したところ、全く身に覚えがなく、勝手に住所が使われていると話す。その後の調査で、会社自体が実在しないことが判明。つまり最初から詐欺だったのだ。

■「大手のサイトでも…」 ダークパターンを行う企業の事例
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