新浪氏は三菱商事時代にハーバード大ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得し、その手腕を買われて43歳でローソンの社長に就任すると、ナチュラルローソンの展開や海外進出を進めた。そして業績を拡大し、株価を3倍にする実績を残した。

 その功績を買われ2014年に、創業家以外で初のサントリーHD社長になった。内田氏は「三顧の礼ではないが、『ぜひサントリーに来て欲しい』と招聘(しょうへい)された。新浪氏がきっとサントリーの経営に吹き込むのだろうという予感もあった」と振り返る。

 社長就任後は、買収したアメリカの酒造メーカー「ビーム社」との経営統合を推し進め、国際化に貢献。また「やってみなはれ」の社訓通り、ペットボトルコーヒーという新たなジャンルを開拓した。

「日本企業は買収した海外の企業になめられる。大型買収はいままでほとんど失敗してきた経緯がある。しっかり力で説き伏せていったところが、パワーネゴシエーターで、タフネゴシエーターだ」(内田氏)

「物言う経営者」として歯に衣着せぬ発言が話題に
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