クマ保険が生まれた背景にあるのは、9月1日に施行された「改正鳥獣保護管理法」で、ここで新たに定められたのが緊急銃猟制度。これまでクマが人の生活圏などに出没した際、市街地での猟銃の使用は警察の命令が必要だったが、今回の法改正で一定の条件を満たせば、市町村長の判断で発砲が許されることになった。

 その条件は「クマが住宅地など人の生活圏に出没したり建物に侵入したりしている」「緊急に危害を防ぐことが必要になっている」「迅速に捕獲できる手段がほかにない」「住民の安全が確保できている」というもの。

 クマ保険の登場は住宅の物的被害などの可能性を示唆する一方で、専門家によれば今回の法改正はハンターを法的にも保護することにもなると評価。猟友会所属のハンター中村憲昭弁護士は「この緊急銃猟制度を創設したのは、有害駆除という公益活動に従事するハンターを刑事処罰の危険にさらさないという趣旨で作ったものなので、制度の創設については評価をしている」とコメントした。

ハンター歴40年以上の男性に話を聞いた
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