犯人の狙いは?

増加中のSNSの乗っ取りその背景は
拡大する

 そもそも乗っ取りを試みる犯人は、何が狙いなのだろうか。

「アカウントを乗っ取ったときに何をするのかということだが、企業に対して不利な情報をその企業のアカウントから書いて、株価操作ができる。大きく株価が下がるというところで、例えば取引を行って利益を得ることもあり得るし、それ以外でも企業に対しては、例えばゆすったりもできる。直接、間接的にお金を得るということを企業に対して行う」

 自治体や個人の場合でも、アカウントの返却と引き換えに身代金を要求してくるケースはあるそうだが、有名人のアカウントでは詐欺などに悪用される可能性もあるという。

「いろいろな詐欺で著名人の名前を信用で使うということが十分あり得る」

 乗っ取るための不正ログインには、どのような手口が使われることが多いのだろうか。

「一番多いのはやっぱりパスワードの推測。生年月日や生い立ち、友人周りの名前など、そういう情報って著名人は特に、いろいろなところで漏れてしまっているので、それで簡単に推測される」

 拡大する一方だという「乗っ取り」やなりすまし。歯止めが利かない背景には何があるのだろうか。

「一般には不正アクセス禁止法と言われているもので3年以下の懲役や100万円以下の罰金なので、結構重たい。しかし実際に刑罰を受けた場合にはどれぐらいになるかというと、3年の懲役になっている人はほとんどなく、執行猶予がつくか、あるいは執行猶予もつかなくて罰金だとか、場合によっては起訴猶予までなってしまう。あまり重い罰が与えられていない」

Instagramの“なりすましDM”が急増中
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