WRC(世界ラリー選手権)の後半戦、南米2連戦の『ラリー・チリ・ビオビオ』が日本時間11日〜15日にかけて開催。競技初日に大きなクラッシュが発生し、WRCマシンが鉄条網を引きちぎって走るショッキングなシーンが見られた。
今大会、チリの路面は比較的平坦ながら荒れており、タイヤに厳しいグラベル(未舗装路)コースとして知られている。さらに競技1日目のデイ1は、午前は湿っていた路面が午後になって急に乾き、細かい砂が路面上に浮いて、より滑りやくなっていた。この難しいコンディションの餌食となったのが、スペイン人ドライバーのヤン・ソランスだ。“レジェンド”カルロス・サインツの薫陶を受けており、2024年のポルトガルでWRC2優勝を果たすなど一定の成功を収め、今季もGRヤリスでWRC2カテゴリーに出場している。
同13日に行われたSS5、ソランスの操るGRヤリスは右コーナーを攻略したものの、踏ん張りきれずに滑ってしまい、次の左コーナーの進入手前でコース脇の盛り土に接触。大きく跳ねたマシンは、その奥に張られていた鉄条網に突入。GRヤリスは木の柵を何本もなぎ倒しながら進み、強硬にコースへ戻ると、そのままアタックを続けた。
しかし、走行を終えたソランスのマシンの映像が映し出されると、フロントバンパーからルーフの上を通ってリアウイング後方まで鉄条網が引っかかっていた。アクシデントのあった地点からずっと鉄条網を引っ張りながら走っていたようだ。
同シーンの写真はWRCの公式Xでも「SS5はソランスにとって決定的瞬間となった」というコメントともに取り上げられている。鉄条網を引きずって走った様子はわからないものの、クラッシュした瞬間にマシンが大きく飛び跳ねたシーンが捉えられている。(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
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