■「今の自民党は、大会社が急速に業績悪化した倒産寸前の状態」

 茂木氏は10日の出馬会見で、「次の世代にしっかりとバトンを渡せる政治を作る。その目標は2年」とも明言した。「日本経済も自民党も悠長にやっていられない。再生の道筋をつける1つの区切りとして、2年と言わせてもらった」とした上で、「若い年代は、今回名乗りをあげている小泉進次郎さんや小林鷹之さん、それ以外にもたくさんいる。おそらく今の自民党は、結党以来の危機的な状況で、会社で言えば大会社が急速に業績悪化した倒産寸前の状態。これまで、党でも政府でもいろいろな役職を経験させていただいたので、その全てをこの国のために捧げたい」と話す。

総裁選出馬が取り沙汰される5人
拡大する

 総裁になった場合の人事については「今言う立場にはない」と発言するに留めつつ、「思い切って若手を抜擢するし、実行力のあるベストチームを作っていく。党に分断があり、挙党態勢でやっていく必要がある中でのバランスもあるが、年功序列の人事はせず、真の意味での適材適所にしていきたい」と述べた。

 “解党的出直し”が求められる中で、すでに良い人材がいるのであれば今託せばいいのではないか。その問いには、「おっしゃる意味はよくわかる。ただ、いろいろな役職を経験してきた中で、大きな責任も背負っている。逆境で相当批判もされると思うからこそ、これまでの経験を生かしたい。若手が前面に出ることを否定するものではなく、批判の矢面に立つ気持ちだ」と答えた。

 前回の総裁選は、1回目の投票で47票となり9人中6位の結果に終わった。今回の総裁選は、国会議員票と党員票を合計する「フルスペック型」で行われ、党員票を獲得することも重要となる。茂木氏は「いろんなチャンネルを通じて、自分の考えや危機感、政策をしっかりと訴えていきたい。前回は幹事長の立場で、“政治とカネ”問題の前面に立ち、批判を受けることは覚悟していた。“前回は前回、今回は今回”という気持ちで臨みたい」とした。

■茂木氏推しの自民党員「親しみやすさが足りない」
この記事の写真をみる(6枚)